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テーマはウイグル 少数民族 イスラム 荒野

今回は中国の西の果て新彊ウイグル自治区のオアシス都市カシュガルを最終目的地にした。昔NHKのシルクロードでやっていた映像の記憶がある。砂漠、荒野、そしてウイグル人のおじいさんのすごい存在感、バザール。中国ということで最低限の治安はあるだろう。決定した。


飛行機を3回乗り継いで果ての果てへ

カシュガルまでと決めたのはいいけれど日本からそう簡単にはたどり着かない。日本で朝早くの便でまず関空へ、そして北京へそれからウルムチへ。初日はここまで。北京は外には出なかったが15年前とは別世界のようだ。北京ウルムチ間の飛行機はロシア製の中古みたいでオンボロだった。生まれて初めてひょっとしたらという気になってしまった。ウルムチで一泊して翌日カシュガルへ向う。


ウルムチは大都会

ウルムチは地図で見ると僻地に見えるが、実際来てみると100万都市の大都会だった。高層ビルもあちこちにあるし、デパートもある。しかし、発展しているのは街の北側の漢民族側で南側のウイグル人側はまだそれほどでもない。南側にはウイグル人のバザールもあるということなので宿は南側にとることにした。翌日フライトまで街をウロウロしたが、あちこちに冷たいものスタンドがあるし、公園にはコンピュータを使ったプリクラのようなサービスまである。旅行者としてはなんだか物足りない気がした。


ぼられた話

ウルムチのホテルに向うのにタクシーを拾った。メーター付きを確認して行ってもらった。着いたときメーターは14元をさしていた。小額紙幣がなかったので50元札を出したら釣りを渡そうとしない。釣りを返せというと50元だと言う。メーターは14元じゃないかと言うとこれは壊れているとウソを言う。さんざん言い合ったが埒があかない。もうめんどうくさくなってしまった。
教訓1:料金交渉は必ず事前に紙に書いて
教訓2:支払いは小額紙幣で


ウルムチの夜のバザール

ホテルで一息ついたら日が暮れた。さあ、ウイグルのバザールで晩飯でも食おうと街へ出た。大通りから1本入った路地にバザールはあった。夜は食べ物の露店が多い。主食ナンの店、羊の串焼きシシカバブの店、麺類の店、子羊の丸焼きの店、シルクロード秋の名物はみ瓜と西瓜の店。とにかく手当たり次第に食べまくった。長旅の疲れもふっとんでいきなり旅情の世界だ。ううん、旅路だなあ。


肉は羊肉 仔羊のラム肉

ウイグル人はイスラム教信者なので戒律で豚肉は食べない。その代わりよく食べるのが羊肉だ。日本で羊肉は臭いというイメージがあるがあれは大人の羊のマトンでこちらで食べるのは仔羊のラム肉なのだ。全然臭みはない。ただすごく脂っこい。ギトギトのズルズルだ。


カシュガルへ

カシュガルへのフライトは夕方のはずだった。ところが航空会社の手違いと遅れで出発が予定より3時間遅れて9時のフライトになってしまった。カシュガルへ着いたらすでに真っ暗、タクシーを拾って目当てのホテルに行ってもらったら。もう受け付けもいない。警備員に話して入れてもらったが1人部屋にしてくれと言ったのに他の日本人と同室にされそうになり、やっとのことで1人部屋を確保。ところが1人90元のはずがツインの1人使用ということで倍の180元もとられることになってしまった。


カシュガル名物 日曜バザール

翌日、カシュガル名物の日曜バザールがあった。週に一度近郊から家畜や野菜や果物や日用品を持ち寄って大規模なバザールが開かれている。バザールに向う道はロバに乗った人やロバ車が行き交っている。家畜市場は広場に数千から万の羊と馬や牛が生きたまま連れてこられている。それは壮観な光景だ。その他もまわれば一日かかるほどだ。このために一日多めに休みをもらったんだもんね。よかったよかった。


さっぱりラグメン

ウルムチで食べた料理は脂っこくてなんだかうんざりしていた。そんなときに出会ったのが中央アジア名物ラグメンだ。ラグメンは簡単に言うとトマトソースぶっかけうどんで、羊肉、赤ピーマン、青ピーマン、つるまめをトマトでサット煮てぬるいうどんにぶっかけたもの。これがさっぱりしててうまいになんの。日本人の口にも合ってこれはめっけもの。それからは毎日一回は食べたけど飽きがこないいい味でした。日本に帰ってきて作ってみたけれど豚肉を使ったせいかなんだかちょっと違う。ラム肉なんて普通売ってねえよ。


大国家中国の少数民族ということ

現在の中国の町はどんないなかでも中国風の街並みになってしまっている。この場合、中国といっても歴史的な中国ではなく現体制の中国なのだ。なんというかおもしろみがない街並みだ。むかしむかしの中国の味わいある街並みはあんまり残っていない。辺境の少数民族の町でさえ例外ではない。カシュガルもシルクロードの辺境の町だがメインストリートなどはどこかの町と見分けがつかないような画一的な街並みで旅行者としてはおもしろくない。ところが一本裏に入ると石と土で作った伝統的な作りの家が並んでいる。
  社会もそんな感じで、カシュガルなど大多数がウイグル人で漢民族はここでは少数なのだが町のオフィシャルな地位や企業のトップは全て漢民族が占めていてウイグル人は被支配民族であるのが明かだ。


中国の中の中国人街 相容れぬ宗教

カシュガルの街を歩いていると不思議な光景に出会う。中国の町なのに一角に中国人街があるのだ。なんとそこでは豚肉も売っているのだ。思えば中国人(漢民族)にとって豚肉はなくてはならない食材だが、イスラム教徒のウイグル人にとって豚肉などとんでもない。穢れた動物なのだ。だから豚肉をたべる漢民族とイスラムのウイグル人が合い入れることはないのだろうなとそのことだけでもわかる。


ウイグルの人たち

ウイグル人はトルコ系の民族で中央アジアに分布している。漢民族とは見ただけで違いがわかる。ウイグル人は西洋と東洋の中間の整った顔立ちの人が多い。女性は日本人から見ても美人が多い。民族衣装なのかとてもカラフルで派手な柄の服を着ている。そして男は特におじいさんがものすごい存在感がある。堀りが深く、ウイグル帽子をかぶり、ヒゲを長く伸ばし、コートのような服を着てロバにまたがって荒野を行く。そんなイメージ通りのおじいさんがうようよしているのだ。  


せっかく子供と仲良くなったのにおかあさんのケチ

どこの国でも子供は好奇心旺盛で外国人を見るとすぐ寄ってくる。カシュガルの街を歩いていると学校帰りの子供が『ハロー』と声をかけてきた。仲良くなって子供たちは自分の家に僕を連れていってくれようとしていた。入り口で待たされていると中からおかあさんの怒る声が聞こえてきた。そしてちらっとこちらを覗いてまた怒り始めた。どうやら『へんなもんつれてくんな』っておこっているみたい。せっかく地元のひとに家におじゃまできると思ったのに残念。


地の果てにインターネットカフェ 日本へe−mail

シルクロードは欧米人にとっても人気の観光スポットでカシュガルにも欧米人がけっこう着ている。欧米人は海外でも自分の生活スタイルを崩そうとしないのでこんなところにきても西洋料理を食べたがる。それで観光都市には欧米人御用達のお店ができる。カシュガルにもそんな店があって、なんとその店では1分5元でインターネットができるのだ。そこでぼくも日本向けにe−mailを送ることにした。ただし、日本語は対応していないので英文になる。webのメールアドレスを持っていれば便利だ。日本からのメールも受信できる。ちょっと驚きだった。


レンタル自転車で荒野へ

いくつかのホテルでは1日20元で自転車の貸し出しをしている。そこで郊外へ行ってみることにした。シルクロードはオアシスごとに町があるので隣町がとても遠い。行けども行けども並木道が続く。とりあえず並木道が切れる所まで行ってみることにした。途中の集落は並木でうまく影を作っていてとても涼しい。砂埃対策にもなっている。ウイグルの女の人は砂埃がすごいからかほとんどスカーフを頭に巻いている。男の人はほとんどぼうず頭だ。ぼくは直射日光を避けるために頭にタオルを巻いていたのだがそれを見てみんながゲラゲラ笑う。オカマだと思ったのかな。休憩で道に座っていると子供たちが遠巻きに見ている。おいでおいでをしても外国人が珍しいのか近寄ろうとしない。それでも近所のおじさんがいちじくやぶどうをくれた。そんなことがありながら荒野までたどりついた。遠くに山脈が見える。山から流れている川は赤土で真っ赤な水が流れている。さてこのへんでもう帰ろう。


刀削麺

商店街があって通りに中華料理の店が並んでいた。その中に刀削麺の看板が見えた。これは中国山東省の名物料理のはず、なんでこんなところにと思ったがこんな機会はまたとない。さっそく注文した。本やテレビで見たことはあるが生はもちろん初めてだ。煮立ったお湯に小麦粉の塊を手に持って薄いブリキ板でしゃっしゃっとそぎ切りにするのだ。見事な技でした。食べた感じでは麺というより九州のだご汁やすいとんに近い食感でした。貴重な体験だった。


ウルムチ空港締め出されておじさんと野宿

帰国のときもウルムチで一泊しなければならない。しかも朝早い出発便に乗らないといけないので空港の近くのホテルに泊まればいい。そこで帰りの飛行機のチケットを買った旅行社でホテルの予約を頼んだら『空港で夜を明かしたらいいじゃん。どうせ何時間のことだし』と言われてそうすることにした。ウルムチに夜遅く着いて出発ターミナルで時間をつぶしていると日本人のおじさんがやってきた。このおじさんも空港で夜を明かすということだ。しばらくすると航空会社の職員がやってきてここは締まるから出ていきなさいというではないか。話が違うじゃないか。おねがいしてもやっぱりだめ。しかたがないのでそのおじさんと空港ビルの外で朝を待つことにした。ウルムチは高地で夜は冷え込むのだ、その日は最高気温がすでに22度でたいへん肌寒かったのだ。夜は何度くらいまで下がっていたことか、それにぼくは半そでのTシャツしか着てなかった。で、おじさんから服を借りて長い夜をいろんな話をしながら時間をつぶした。おじさんは言語学の学者で元は画商をしていたそうだ。けっこうアカデミックな話をしながら夜明けを待って翌日お互いの名前も素性も知らないままお互いのフライトに乗ったのだった。


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